禁欲主義者からの手紙

オナ禁を中心に禁欲的な生活を通して自己実現を目指すブログです。

E.フロムの「愛するということ」は禁欲主義者のバイブルだ

 

先日発売された「幸せになる勇気」

幸せになる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教えII

幸せになる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教えII

 

 空前の大ヒット作「嫌われる勇気」の待望の新作である。

この「幸せになる勇気」を呼んでいたら度々出てきた、「エーリッヒ・フロム」という人物。

早速興味が湧き、フロムの著作を読んでみた。

・・・・・・・

衝撃を受けた。

 

愛するということ

愛するということ

 

 

愛は技術である

この「愛するということ」は、「愛」を学術的に学ぶ本である。

 

オナ禁に励む人たちに多いのは

「モテたい」

つまり、愛されたい。ということだ。

言い換えれば、非常に受身的な発想といえるかもしれない。

確かに、オナ禁を軸とした自己啓発でいわゆる一般的な「モテる」という事象を体験することは難しくない。(オナ禁+モテ習慣を確立できれば)

しかし、モテる能力と、愛する能力はまったく別物だとこの本を読んで感じた。

愛というものは、その人の成熟の度合いに関わりなく誰もが簡単に浸れるような感情ではないということである   P5

 

私たちは「愛」というものを考えるとき、

「一目ぼれ」や「運命」など非常に観念的に捉えるきらいがある。

しかし、フロムは「愛は技術」だという。

技術。即ち習練によって身につけることができるものだという。

 

僕たちは人の愛し方を学んだことがあるだろうか。

僕は少なからず、衝撃を受けた。

今まで僕が考えてきて取り組んできたことは「愛」されるための小手先のテクニックだっということだ。

もちろんこの小手先のテクニックと揶揄した、清潔感や会話術のような類は非常に重要である。

だが、もしあなたがパートナーや子供、いやそれに限らず誰かを「愛したい」と思ったとき、この「愛するということ」は必読である。

この本のなかでフロムは「ではどうすれば愛することができるか」という問いへの処方箋は述べていない。

だが、最終章「愛の習練」では非常に参考になる箇所がたくさんあるので紹介しよう。

愛は技術という前提の下読み進んでいただきたい。

そして下記の文章も、「愛」に限らず広く技術の習練を志す人にとって最良のテキストになる。

①規律正しい毎日を送る

まず第一に、技術の習練には規律が必要である。規律正しくやらなければどんなことでも絶対に上達しない。「気分が乗っている」ときにだけやるのでは、楽しい趣味にはなりうるのかもしれないが、そんなやり方では絶対にその技術を取得することはできない。しかし、ここでいう規律の問題には、毎日一定の時間練習するといった特定の規律だけでなく、生活全般における規律も含まれる     P161

 そう、オナ禁に励む人たちは同時に生活改善に取り組む場合が多いがそれはこれから身に着けるさまざまな技術取得のベースになりうるということを読み取ることができる。

 

②集中

第二に集中が技術の取得にとって必要条件であることはほとんど証明不要であろう。・・・・・・ところが現代社会はどんな時代にも見られないような、まとまりを欠いた散漫な生活を助長している。誰もが一度にたくさんのことをしている。本を読み、ラジオを聴き、おしゃべりをし、タバコを吸い食事をし、酒を飲む。

 この愛するということは1956年に出版されている。そこから半世紀以上たった現代は、当時の何百倍もこの「集中」することの困難な時代だ。オナ禁というテーマであればスマホ・パソコンを開けばあらゆるポ〇ノが流れ込んでくる。ポ〇ノに毒された人間が、どうして集中などできようか。

③忍耐

何かを達成するためには忍耐が必要だということは、やはり一度でもなにか技術をマスターしようとしたことのある人なら知っているはずだ。性急に結果を求める人は絶対に技術を身につけることはできない。

オナ禁を30日やって人生が変わらないなどといっている内はまだ甘い。何年も全力で取り組み、ふと振り返ったときに人生を見る景色が変わっている。そういうものではないだろうか

 

④関心を抱く

最後にもうひとつ。技術の取得に最高の関心を抱くことも、技術を身につけるために必要条件の一つである。もしその技術が一番重要なものではないとしたら、その技術を身につけようとしても絶対に見似つかないだろう。

あなたがもし本気で身に着けたいのであれば、生活のすべてをその技術の取得にささげるべきかも知れない。

 

とまぁこのように紹介してきたが、この本の学術的なすばらしさを考えると、僕はまったく表面的な読解に留まっている。今回の僕のエントリーも、本筋とは程遠いレビューだろう。

おそらくフロムの言わんとすることはもっと別のところにある。

 

愛する技術のない僕はこの本を繰り返し読み、「愛する技術」を身につけようと思う。

と同時に、ストイックに生きる人には参考になる箇所がたくさんあったので、興味がある人はぜひご一読をお勧めする。