挫折した経験は?と問われれば間違いなく新卒の経験を挙げるだろう。
どこぞやの仕事哲学本なので当然のように語られる
・「石の上にも三年」
・若い頃の苦労は買ってでもしろ
などの価値観を強く持っていた僕は、今から約5年前、新卒で縁もゆかりもない某県の整形外科クリニックに入職した。
僕がそのクリニックに入職した理由、それはただ一つ
「成長できそう」だったから。
知り合いも、誰もいない所で日々の臨床、勉強会、昼休みも手技の練習、試験・・・
周りの同僚や上司は意識の高い人ばかり。
そして何よりプリセプターとして僕を担当してくれた人は非常に優秀だった。
しかし、優秀であるが故、僕の意識の低さ、出来なさはさぞ目についたことだろう。
何処にも逃げ場がなかった。施設長、直属の上司、日々やってくる患者、同僚・・・
日に日に追い詰められていく感覚。
今となっては微笑ましいとも思えるが、当時こんな本を買って
付録のCDを毎日聞いて人生を変えようと必死だった。しかし自分の仕事のできないという事実は、いくら自己啓発CDを聴いたって依然としてそこにあり、日に日に状況は深刻になっていった。
こんなにも仕事ができない、頑張れないのは病気なのでは?と心療内科の受診も考えた。今となっては危険な状態だった。
通勤中、ガードレールが良く目についた。
「このガードレールに突っ込めば仕事に行かなくていい・・・」
そんな思考にも陥るようになっていった。
余談だが、最近ベストセラーになった 「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)の冒頭の漫画が当時の自分と非常にリンクしたことを興味深く感じている。
「死ぬくらいなら辞めれば」ができない理由 1/2
— しお(汐街コナ)@「死ぬ辞め」発売中 (@sodium) 2016年10月25日
むかーしの体験談と、そのとき思ったこと。よければ拡散してください。 pic.twitter.com/tImNNIOG56
見る世界すべてが脅威のように思えた。
親も、同僚も、上司も、世間も・・・・
そしてある時、ベッドから起きることができなくなった。
その後まもなく僕は実家に帰ってきた。
そして今、僕は挫折に感謝することができている。
挫折した僕を、故郷は優しく包んでくれた。
挫折直後から数年は、ひたすら自己嫌悪の日々。
周囲のサポートのおかげで、少しずつ癒えいった。
傷が癒えていく中で、あの挫折は自分にとってどんな意味があったのだろうと考えられるようになった。
そんな中、僕の中で答えが出つつある。
それはNLPやアドラー心理学などの各種心理療法を基にしたコーチングを、当時僕のように変われないと悩み、目標達成ができずにもがいている人に提供するということだ。
当時、もし僕の上司がアドラー心理学でいう「勇気づけ」をしてくれるような上司だったら・・・今頃自分は・・・
いいや、違う。あの時の挫折はするべくしてした、財産だ。
その勇気をづけを、僕がしよう。
いつしか、あの時の挫折は僕の人生の転機となっていた。
こころからやりたい!という分野を見つけることができている。
過去に良くも悪くも意味を見出すのは、自分自身なのだ。
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