暖かくなり、街をランニングしている人も増えてきた。
僕は走っている人が好きだ。
走っているという行為は皆同じだが、
きっとその人その人にドラマがある。
そんなドラマに思いを馳せながら走る。
もうすぐ検診を控えたお父さん。
マラソン大会を目前に控え追い込むランナー
ダイエットをして憧れの彼を振り向かせようとがんばる女子大生
仕事に行き詰って気分転換のために走る青年
以前の僕のように、大きな挫折をして失意の中、生きるリハビリのような気持ちで走っている人もいるかもしれない。
理由は違えど、みんな走るというアクションを起こしている。
何かを、変えたいと走り出している。
今の自分からもう少し先の自分を目指して。
その一点だけど、繋がっている感覚。
ランニングという勝ち負けのない世界。
そんな彼らに心の中で
「お疲れっ!」
とエールを送りながら、今日も僕は走っている