機能性低血糖
日本ではあまりメジャーでないこの疾患概念。
糖質過多な食事による血糖値の乱高下に関連して生じる慢性的な慢性不調。
このブログでも何度か取り上げている。
糖尿病を原因とする低血糖症とはその発症要因を区別して考えねばならない。
糖尿病による低血糖症は、血糖値を下げる薬剤の副作用や、インスリンの効きすぎによるものだが、機能性低血糖症は糖尿病でなくとも発症する可能性がある。
そしてこの機能性低血糖症を引き起こしている人は多くいるといわれている。
僕もおそらくその一人。
異常なまでに、カフェイン、糖分を欲し、それらを摂取すると一時的には気分が高揚するものの、数時間たつとイライラ、焦燥感、不安な気分、無気力といった症状に悩まされている。
有名なこのエントリーも機能性低血糖症を取り上げたものだ。
低血糖症治療で有名な千葉県にある「マヤクリニック」には全国から低血糖症の疑いを持った患者が訪れ、その多くの患者が低血糖症と診断される。
ここで注意したいのは、イライラ、焦燥感、不安な気分、無気力といった症状が、「うつ病」などの他の病気と症状が似ていることから、低血糖症の治療を行われず、抗うつ薬などの治療が行われている可能性があるということだ。
もし以下のチェックリストに該当する項目が多くある場合は、機能性低血糖症を疑っていいかもしれない。
- 朝起きられない・異常な疲労感
- 気分の落ち込み(うつ症状)
- 気分のコントロールが効かない
- イライラ・突然の怒り(キレる)
- めまい・ふらうく
- 悪夢・夢遊病・眠っている間にはなす
- 猜疑心
- 睡眠障害
- 記憶力の低下
- 決断力がなくなる
- 砂糖への渇望
- 心配ばかりして集中力が低い
- 不安・恐れ、震え
- 寝汗をかく
- たった一杯の酒でハイになる
- 食後や午後の遅く(夕方四時ころ)に眠くなる
- その他(頭痛、筋肉痛、胃のむかつき、動悸など)
機能性低血糖の治し方
機能性低血糖治療の基本は「食べ物を変える」ということだ。
本エントリーでは、低血糖症や、うつ病、不安障害などの精神障害と食事の関係を詳しく説いた「心の病は食事で治す」より、機能性低血糖治療のヒントを紹介したい。
砂糖を断つ
これは大前提だ。砂糖は「マイルドドラッグ」と呼ばれるほど、その依存性・心身に及ぼすダメージは甚大だ。低血糖症を直接引き起こす原因物質であり、機能性低血糖症克服には避けて通れないステップだ。
カフェインを断つ
カフェインは副腎を刺激し、アドレナリンを放出させ、血圧と血糖値を上げる。しかし、カフェインの作用が切れたときに低血糖症状を引き起こす。また、カフェインを多く含むコーヒーなどはドーナッツなどのスイーツと合わせて摂取することが多く、低血糖症には最悪のコラボだ。
コーヒーがやめられない人はカフェインレスコーヒーなどを選択しよう。
煙草を断つ
煙草のニコチンは副腎を刺激し、アドレナリンを放出させる。そして血糖値と血圧をあげ、その作用が切れたときに低血糖症を引き起こす。コーヒー・タバコ・甘いものという組み合わせは「死の三重奏」だと言っていいだろう。
アルコールを断つ
アルコールにも多くの糖質が含まれる。ハイボールなどの糖質フリーのアルコールを飲むようにしよう。
機能性低血糖症にとりたいサプリメント
僕は並行して、機能性低血糖症に対するサプリメント療法も実践している。
上記の食事療法に加えたことで、低血糖症由来の症状の克服、ハイパフォーマンスをより実感できるだろう
クロム
一回200㎍のクロムを朝食後の一日一回摂取
→糖の取り込み促進、糖反応カーブの平坦化
マグネシウム
一回200mgのマグネシウムを朝・夕の食後に一日二回摂取
→血糖安定化作用
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パンテトン酸(ビタミンB5)
一回200mgのパンテトン酸を朝・夕の食後に一日二回摂取
→副腎機能の回復促進
低血糖症で人生を台無しにしないために
スイーツ男子などの言葉が流行したのを覚えているだろうか。完全にメディアや関連団体が作り上げたこの流行。スイーツに含まれる大量の糖分の影響をマスキングし、多くのスイーツ男子を作り上げた。それによって、低血糖症を引き起こし、人生のクオリティを壊滅的にさせたその功罪は大きい。。。
はっきり断言しよう。
「砂糖は麻薬」だ。
本エントリーが少しでも多くの隠れ低血糖患者に届き、低下したパフォーマンスの再興に寄与することを願ってやまない。
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