筋トレとマインドフルネス。
この両者の共通点から見えてくる一つのキーワード。
そのキーワードをイメージしながら習慣にできるかどうか。
これは少しの差だろうが、継続、その結果に大きな差をもたらすものと考えている。
そのキーワードとは
「可塑性(かそせい)」である。
可塑性とは?
可塑性は英語でplasticityという。
PLASTICという言葉からもわかるようにプラスチック、つまり「適応性」「柔軟性」という意味を持つ。
ここでは可塑性を「変化し、適応する」という意味合いで扱いたい。
僕は日ごろ脳卒中を患った方と接する機会が多い理学療法士という仕事をしている。リハビリをする仕事だ。
脳卒中は脳の血管がつまったり破裂したりすることで脳を損傷し、麻痺や高次機能障害などの後遺症を呈する疾患だ。
脳卒中に対するリハビリは、麻痺の影響を受けていない残存した能力を使って日常の生活を再獲得するということに主眼を置いて取り組まれてきた歴史がある。
その背景には「一度損傷した脳神経は、蘇らない」という論説があった。
しかし、近年脳科学の発展とともにその概念を覆す研究が盛んにおこなわている。
それが「脳の可塑性だ」。
この画像は
研究的に脳梗塞を起こしたリスザルの脳を示したもの。
簡単に言えば、「リハビリによって脳の性質・形状が変化した」というものである。この研究を機に、現代のリハビリは脳そのものに働きかけるリハビリテーションが発展し続けている。
この「脳の可塑性」という事実は、リハビリテーションの分野だけではない。
人生の悩みをもつ、すべての現代人に勇気を与えるものである。
今の自分が嫌なら、脳を鍛えよう
マインドフルネスが急速に普及した理由は、マインドフルネスを実践することによって上記したような「脳が変化する」という事実が科学的に解明されていることに他ならない。多くの研究によって、マインドフルネスの実践が「不安」「うつ」「やるき」「幸福感」「意志力の欠如」といった現代人の悩みに効くことが分かっている。
あなたの人生の不調が、「脳機能の低下」にあるという観点を持つことは非常に重要なことだと僕は考えている。
日本人は長らく、「精神論」や「根性論」というものを好んできた。その弊害は、上記したような現代人の悩みに対して
・「努力不足」
・「怠けている」
といったアプローチで周囲が、そしてなにより自分自身を責めてしまう人を生んでいる。僕ものその一人だった。
オナ禁が続かない人も、ひょっとしたら脳機能の低下に起因するものかもしれない。
だけど、その不調を作り出しているのが「脳」という臓器にあるかもしれないという発想で、脳を鍛える「マインドフルネス」や「運動」、「栄養療法」といった可能性に求めることは決して甘えではない。非常に合理的な発想である。
脳は可塑性という、柔軟に変化し、適応する力を持っている。それを引き出すのがマインドフルネスだ。
脳を筋肉と同じように鍛えることができるというマインドセットを人生の早いうちで獲得するべきだ。
「俺はどうしてこうも頭が悪いのだろう・・・」
「なんて俺はダメなんだろう・・・」
と自責する思考は百害あって一利なしだ。
「なんて俺はがりがりな身体をしているのだろう・・」と思えば
「よし、筋トレをしよう!」という発想が浮かぶはずだ。
それならば
「なんて俺はダメなんだろう・・」という悩みには
「よし、脳を鍛えよう!」という発想を持つべきだ。
脳は鍛えられる。そして人生の難局に立ち向かい、幸福を掴むことができる。
これは神様が僕たちに与えてくれた贈り物に他ならない。
マインドフルネス入門は間違いなくこの1冊。平易にマインドフルネスの効能、実践をガイドしてくれる1冊
運動と脳の働きを知るなら間違いなくこの1冊。図書館などで必ずおいてあると思うので、人生の早い時期に読めることを祈っている。
脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方
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