結論から言おう。
このシリーズは、未完のまま終わる。
シリーズの主人公である先輩が退職した。
それは彼からの報告ではなく、社長からの終礼での報告のみ。
彼はもう会社に来ることはない。
先週まで、元気に仕事をしていた。
そしてこのシリーズの締めくくりとして、今月末に体重を測定し、お祝いパーティーをする予定だった。
来年の健診でオールAをとるはずだった。
来年、一緒にフルマラソンに出る予定だった。
彼はもう、遠く離れた場所にいる。
彼は走り出したあの日から、2ヶ月で体重を体重をマイナス10kg落とした。長年連れ添った脂肪という伴侶をたった2ヶ月でおさらばした。
かのミケランジェロが、石柱の中にダビデ像をみたように、僕は脂肪の中にイケメンの先輩をみた。
ダビデ像はミケランジェロによって掘り出されたが、彼は自分自身の力で脂肪から這い出てきたのだ。
彼は自分自身の力で人生を変えた。
周りからはその激変ぶりを賞賛され、十代の頃に履いていたお気に入りのジーンズに脚を通し、仕事着を全て買い替えた。
彼のその後を近くて応援できないことが残念でならない。
日々、退屈だと思っている人生も実は昨日今日でダイナミックに動いている。
僕たちができることは、そのダイナミックに動く人生の軌道を少しでも上向きにできるようにするしかない。
その劇的な変化は、劇的なタイミングで起こる。
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寝よう